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晴耕雨読、時々徒然。


アムステルダム前後。

水曜日のサンデル教授のレポートもしなきゃなんですけど!
宿題もやんなきゃいけないんですけど!あーすみませんごめんなさい!

夏前から、ずっと見なきゃ見なきゃと気にしていた映画を
ようやく見てきました。


『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』

端的に言えば、
アムステルダムにある、オランダの国立美術館の改築をめぐる
紆余曲折のドキュメンタリー映画。

「美術館は王室のものではなく、市民のものです。
市民のつくる、市民のための美術館です。」
と、館長から最初に紹介された美術館は、
市民の反対や入札の失敗などにより
2008年に開館するはずが、2013年まで延期に。

もともとは2008年の開館に向けて撮られていたものが、
開館が2013年まで延期されるに至る経緯を
描くものになっているのです。

館長、プロジェクトリーダー、教育文化科学省、建築家、
地区委員、サイクリスト協会、学芸員、警備員、修復家…
「市民の」美術館は関わる人の多さゆえに
問題も多いというのが、これを見ると分かる。

お役所と芸術と市民とがぐちゃぐちゃになるという関連で
永井愛さんの『かたりの椅子』をつい思い出し、どこもだわー!と苦笑い。

でも、似ているようで違う気がする…

ドキュメンタリーとフィクションだし、単純な比較はできないけれど、
アムステルダムの方では、一応「公の場での議論」によって様々な事が決まる。
その一方で『かたり~』では、いわゆる「役人の詭弁」が駆使され、
ウラで物事が変わってしまう様子が描かれていた。
と、言えば違いが見えてくるかな。

国民性?で片づけていいものか?

サンデル教授が、日本での特別講義の終わりに
日本人も「公の場で議論する」ことができると証明できましたね!と
ニッコリされていた姿が思い浮かんでくる。

サンデル教授いわく、議論のためには
「勇気を持つこと、自信を持つこと、異なる意見に耳を傾けること」が必要と。
根本的なことって、いちばん難しい。

・・・なんて、結論の出ないぐちゃぐちゃの思考メモを
  書きたかったわけじゃないのです。

単純に、
展示を考える学芸員さん達がキラキラしてて素敵だった、とか
修復家の人のドキドキが伝わってきてグッときた、とか
警備員さんが誇りをもって美術館を守っているのがいいな、とか
「開かれた、市民の生活と共にある美術館の姿」って何だろうと考えた、とか
ゴタゴタしてても、組織にいるのが好きな自分を発見した、とか
ベルギーにいたころに、ピアノの上手なホストシスターが
憑かれたように練習していたピアノ曲が流れてきて驚いた!とか
テーブルの上に置かれている水が「SPA」(←ベルギー産)だ!とか
とにかくあらゆるところにツボがあったの~!!
って言いたかったのでした。

もう一回留学したいなんて、11年間一度も思ったことなかったけれど
それもいいかも!と初めて素直に思ったということも記しておきましょう。

しかしオランダ語か…その前に英語だなぁ・・・うーん。
# by asacco-mokucitane | 2010-08-28 15:19 | つれづれ


夏休み的夏休み。

嵐のような女子部祭りの週末。
あ、女子部というのは女子中・高等科の通称です。



金曜日。
新幹線並みの速さで、しばた前線が上京。
久々の銀座飲み。
女子部生3名だらだら終結+浅草から駆け付け1名。
「意表を突いたバカ」話や、
素敵なねえさんに手相を見てもらったりして盛り上がる。
生命力が弱っていることをズバリと指摘され、
立て直そうと思えど朝帰り。

土曜日。
仮眠をとって、いそいそおめかし。
女子部時代の友人の結婚式@恵比寿。
「プチ同窓会」のコンセプト通り、
友人+親族だけのこじんまりとした素敵な式。
12cmヒールでおっきくなってもかわいい新婦は始終ニコニコ。
その横で新郎もニコニコ。ご家族もニコニコ。
幸せなひとときでした。

そのまま新婦友人たちでアトレになだれ込み、
結婚式気分の高まりから、普段の自分なら買おうとも思わない
フリフリや色物のワンピを購入。
みんな店員さんよりも先に、
「ストールはさっきの方がいいよ」「黄色より赤だね」
「なんか首にジャラジャラしたのが欲しいね」
ズケズケ言ってくれるので助かる。
そこから書店に流れれば、元図書委員が盛り上がる。
服を見ている時よりも口数が増すのが、類友のゆえん。

帰宅して普段着に着替え、
しばたが大阪から持ってきたDVDやら本は
どう考えても3日間で消化しきれない量。
とりあえずサンプロの録画を見ながら、
「図解雑学ジェンダー」を流し読み。

「夫は妻を愛しなさい、妻は夫を敬いなさい」って
「愛し合い、お互いを敬いなさい」じゃダメなのかなー?
とか言っているようじゃ、先はまだまだ長そうです。

日が暮れてから、てろてろと
十番祭りを巧みに回避して武蔵小山へ。
素敵なにいさんのお店で、また女子部生4名終結。
だいぶお酒が飲めるようになったね、と
ビールと水割りを1杯ずつ飲んだ所で言われる。
おかげさまで8年かけてここまで来ましたよ、と。
終電ギリギリまで喋って飲んで、目黒から歩いて帰宅。
道連れがいれば夜道も心強い。

日曜日。
タフなしばたはそこそこに起きてお茶へ。私は二度寝。
昼過ぎに下北沢に向かい、はねこに遅刻を詫び、やっくんのカッパ姿を拝む。
恥じらいなく真面目にバカをやるコント芝居は、安心します。

そういえばこの4人、すっかり忘れていたけれど、
高3の時に学芸会で幕間コントをやったメンバーでないの!
10年経ってみれば、
変態仮面やっくんが女優になり、
正義の味方シバタマンが商社(ウー)マン兼社会福祉を考える学生になり、
かわいこちゃんはねこがキビキビした公務員になり、
言いだしっぺ兼司会のおねいさんをやっていた私が
演劇の周辺をさまよっている、と。
なんとなく面白い。

正義の味方とかわいこちゃんと、シモキタイタリアンで
日暮れ前から飲んで食べて、喋る。
今の日本には百年の大計なんてないよねーとか、
年の近い人じゃダメだって言われてもねーとか、
みんなどんどん結婚していくねーとか、話は尽きず。

渋谷でじゃあねバイバイと言うまで、
ひたすらよく喋った3日間。



そういえば先週末も、花嫁ふーちゃんとご飯会したり、
ビオラ会で集まって久々に近況報告したりして
夏休みらしかったのでした。

「しっかりしていて、タフなところ」が素敵と言われた
土曜日の花嫁率いる「たんぽぽ」たちは
ふわふわとあちこちに飛びながら、
笑って泣いて食べて飲んで喋って歌って踊って
それぞれの地で頑張っているのだなぁ、と。
私もがんばらなきゃぁぁ。



このタイミングを見越していたのか、
『月の桂』が最近突如気になりだし、
桜友会のHPに音源まであることを最近発見。

あの頃は意味もわからず歌っていたけど、
改めて読みなおしてみれば、
 「心の鏡みがきへて
  御国の光、添へよかし」
で締めているのがなんたってもう。

院歌は戦後に作られているのに、
昭和9年の歌を、さらっとそのまま歌い続けているって
実はすごいことなのではないかと。
『金剛石・水は器』に至っては明治20年からですよ。
 「あやにかしこき御教」は平成の世にも引き継がれ、
卒業後にジワジワと効いてくるのです。

 「みよのめぐみの露しげき
  いく春秋をおこたらず
  袖をつらねてむつまじく
  道の一筋進みなば
  高根の花もかざすべく
  月の桂も手折られむ」

広辞苑によれば、「月の桂を折る」という言葉には
中国の故事に由来して、
「科挙に合格すること、官吏登用試験に合格すること」
という意味があると。

卒業する女子中高生に
なんという大志を抱かせているのやら!

「桜の栞」も「3月9日」も「さくら」も好きだけど、
わかりやすくて泣けるキレイなものに同化するだけではなくて、
意味わかんないけど丸飲みして、折に触れて考えることも、
やっぱり大事だと思う今日この頃です。

・・・いかんいかん、また長くなってしまった。
毎度のことながら、すみません(と一応謝ってみたり)。
# by asacco-mokucitane | 2010-08-24 23:03 | つれづれ


ヤマガタゴト。

たった2日間の出来事で、
もう数日前に東京に戻っているのに、
いまだ心ここにあらずな感じ、なう。です。



8月の16、17日で山形に行ってきました。
目的は、「シベールアリーナで、こまつ座の『父と暮せば』を見る」こと。

たかだか1時間半の芝居を見るのに、
山形まで往復2万円+宿泊代を掛けて行くなんて、
なんと贅沢な話!
でも、「行くしかない!」と思ってしまったのだから仕方ない。

そもそもは、山形のお菓子屋さんのシベールという会社が
シベールアリーナ&遅筆堂文庫山形館の運営の成果が認められ、
昨年度のメセナアワードで「文舞」両道賞を受賞していたこと。
同じ地方企業のメセナでも、美術館ならなんとなく理解はしやすいものですが、
「シベールアリーナ」は卓球の試合が出来る体育館で、客席数500の劇場にもなる空間。
「遅筆堂文庫山形館」は井上ひさしさんの寄贈した蔵書が巡回する図書館。
その繋がりも不思議だし、とにかく何かひっかかるものがありました。
でも山形だし、「いずれ行けたらいいな」くらいのものでした。

もうひとつは『父と暮せば』。
「宮沢りえが映画に出てたなぁ、見逃したけど」くらいの認識だったのが
「これは見なきゃ!」となったのが、今年の5月。
本屋をふらふらしていて、ふと井上ひさしさんの本を読んでみようと思い
薄いし文庫だし、という気楽な理由で手に取ったのに、
一読ですっかり参ってしまいました。
どう参ったかは、まだ上手く文章にはならないけれど
まあとにかく、「これは舞台を見なければ」と思ったのでした。

そして、『父と暮せば』の東京公演の前売りを
予約しそびれてへこんでいた8月のある日、
『黙阿弥オペラ』で貰った財団のパンフレットが気になり、
シベールアリーナのサイトを見たら公演情報発見。

「空席があるっぽい、予定も空いている、これは行くしかない!」
と、3分後には電話をかけて予約完了。
年に1,2回あるかないかの「えいやっ」な感じ。



で、とりあえず前日にネットでホテルを予約して、
新幹線の切符は直前に買って、
パタパタと16日の午後に出発。
つばさじゃなくてMaxやまびこの方に乗ってしまい、
上野のホームをダッシュして自由席に滑り込み、
翌日の句会に備えて、移動中に俳句を考えようと
「季寄せ」を見れば春夏の方で(今はもう秋・・・)役に立たず。
山形駅からバスか電車か迷って、1時間1本の電車を選んでみれば
「蔵王駅から20分」では到底着かないことに30分過ぎて気付く始末。
急いては事を仕損じる。ええ、分かってますとも。

広くて美しい山形の空の下、歩けども歩けども目印すらなく。
ケータイで地図をチェックしながら
怪しまれないように地元の人と会釈なんかもしつつ、
心の中では半ベソをかきつつ、滝のような汗もかきつつ、
50分くらいかけて到着。
パン工房でパンを買って、アリーナに滑り込み観劇。
感激。
水分が出きったぐちゃぐちゃの顔も、有難いことに暗闇に紛れ、
国道沿いにてくてくと、また50分くらいかけて駅へ。
着いてみれば電車は5分前に出てしまい、次に来るのは1時間後。
車社会を実感しつつ、虫の音を聴いて夜風に吹かれる
贅沢な時間をぼーっと過ごす。

駅前のスーパーホテルは、温泉が使えなかったけど快適で、
残念なニュースに驚きはすれども、安眠。



ノープランの17日。
もう一回遅筆堂文庫を見に行こうかと思えど、あまりの暑さに辟易。
とりあえず駅ビルで帽子を選んだりしつつ、
実習仲間の大学が山形にあると知り、ごあいさつメールを送信。

「ひさしぶりですね!ぜひ会いたいです!
 学校も休みだし、今日フリーなので良かったら山形案内しますよ!」

あまりのタイミングにお互いびっくり。
せっかくなのでお言葉に甘え、ドライブツアー。

遅筆堂文庫をじっくりぐるぐる見学していたら、
井上ひさし著作の棚に、
大好きな会社の同期みほちゃんのお父さんの本を発見。
対談されていたのね!とまたびっくり。
実習仲間は、そのお父さんの教えている大学にいることが分かり、
またまたびっくり。
しかも来週みほちゃんの結婚式だし、お父さんにも会うじゃん!と気付き、
あまりのタイミングに、びっくりの閾値越え。
東北と言っても広いはずなのに、つくづく不思議なもの。

胸はいっぱい、でも腹ペコになったところで
「山形は蕎麦も有名ですよ!」と聞き、
連れて行ってもらったお店が「吉里吉里」
そういえば、春の旅(鳥取~出雲)でも
1日目に劇場に行って、2日目に蕎麦だったな、と思いつつ
素敵な雰囲気とさっくさくの天ぷらとしっかりとした食べ応えのお蕎麦を堪能。

「じゃあついでに、山寺にも行ってみますか?」と、
行けるとは思っていなかった、山寺へ。
へたれなので、ふもとだけうろうろ。
日枝神社にお参りして、
芭蕉の「閑けさや 岩にしみいる 蝉の声」の句碑を拝み、
重文になっている根元中堂を眺めて満足。

「山形の空は、広くていいんです。『紅の豚』のモデルになってるらしいですよ」
「あー、だからジーナの歌うシャンソンは『さくらんぼの実る頃』なのかぁ」
と、空を眺めながら市内へ戻る。

炎天下の七日町で、コーヒー屋さんを探し
探していたのとは違うお店で当てが外れたね、と苦笑しつつ
アイスコーヒーを飲んで涼み、気付けば電車の時間ギリギリ。
競歩で駅に向かい、句会参加をあきらめて一本遅い新幹線に変更。

「じゃあまた9月の後期実習で!」と、駅でさよなら。
案内してくれた彼女とは、掃除の担当場所が同じだったくらいで
実習中そんなにたくさん話したわけでもなく、
さらに言えば、学部の4年生だから実は6つも年下なのに、
うるしの話や進路に迷うけどまぁいいやみたいな事などを
気を遣いすぎずにいろいろ喋った不思議な1日。

帰りの新幹線で、暮れゆく山形の空との別れを惜しみつつ、
座席の心地よさにうとうとしつつ、メールで投句。
芭蕉のご利益は・・・どうかしら。



帰ってからは、
吉里吉里人を読まなきゃと思ったり、
そこからボローニャに飛んでみたり、
ボローニャから鳥取に着地しそうな感じがしたり、
かと思えばいわきアリオスにまた飛びそうだったり、
収拾がつかなくて途方に暮れています。
去年の民藝と同じくらいの広がり方です。カオス!

どこに繋がっていくかはわかりませんが、
とりあえず、直感は間違ってなかったみたい、ということだけ。
# by asacco-mokucitane | 2010-08-20 20:14 | つれづれ


でかけるまえに。

ここ最近の事をちょこちょこと。
きっと、帰ってきたらまた書きたいことが
出てきそうなので、軽くひとまとめ。

しばらく更新が遅れていた間は、
世田谷のレポートに苦しんでいました。
今回は今年の春に「これは!」と思ってしまった、
鳥取の「鳥の劇場」の主宰をされている中島さんのレクチャーのまとめ。
一つひとつの活動に、きちんと背景があるので、
変に省略して切り捨てるのも嫌だったので、
内容を薄めないように文字数を減らすのに四苦八苦。

で、途中に扁桃腺が化膿してカツーンと高熱。

代謝が悪いせいか、普段調子が悪くても
微熱程度までしか出ない私が38.9℃をマーク。
まさにフィーバー!で、
「ルパン足熱」なんて未送信メールが残っていたり、
舞台の夢をみて「舞台は夢」だもんなぁ、と納得してみたり。
うなされるというより、うかされるというか、浮かれる感じの発熱ぶり。

熱は2日で下がったものの、
しばらくは喉の痛みで飲み込むのが辛く、
桃と豆腐とミックスジュースで命をつなぐ日々。
何かにつけて調子を崩すと、食べられなくなる事が多いので、
「食べる」ことについて、改めて考えてみたり。

で、ひもじさと人恋しさの募ったころに、
四谷怪談のお芝居を見て、ダム決壊。
いい年こいて「家に帰りたくないの~!」とだだをこね、
あちこちの友達に助けを求めて、かまってもらった。
これだけで何か書けそうな、てんやわんやの一夜。
私の周りの人たちは度量が広いのだ、とつくづく思い知る。

復調してからは、カンヅメになってレポートを仕上げ、
不思議なランチとか、しばらくぶりの友達との再会とか
久々のお稽古とか離散家族の再会とかお墓参りとかで
瞬く間に時が過ぎ。

もののはずみで、
31ヵ月連れ添った携帯電話を機種変更。
(この話だけでも、たぶん何か書けそうな…)
迷惑メールにほとほと参ったのでメアドも変え、
料金プランも変え、少し心機一転。

8月後半からは、気合い入れ直して頑張ります。
とかいいつつ、これからちょっと遠出なので、
帰ってきたら、かな。
# by asacco-mokucitane | 2010-08-16 13:04 | つれづれ


メモっ。

今日、ハイビジョン特集でみた
「日本のいちばん長い夏」
について。

終戦の舞台裏を明かした座談会を再現するという試みのドラマ。
文士劇にドキュメンタリーの部分も混ざっていて、面白かったのです。
手法も内容もキャストも。

興奮のあまりしばた嬢に電話してしまったわけですが。

とりあえず、ハイビジョンで流すだけじゃもったいない!
と思っていたら、映画館公開されるようです。たぶん同じ内容?で。

確かに、家だと気が散るから、
映画館で集中して見た方がいいかもしれませぬ。
きちんとバトンを引き継ぐためにもね。

一つ引っかかってしまったのは、
男性陣はみんないわゆる「知識人」で、俳優さんではないのに、
なぜ唯一の女性はキムラ緑子さんだったのか、ということ。
キムラさんは上手だし好きだしやっぱり良かったけど。
ふさわしい女性有識者はいないってことなのかなー。
なんなのかなー。もやもや。

公開は8月7日からだそうです。メモメモっ。
# by asacco-mokucitane | 2010-08-01 02:06 | つれづれ

    

たまに書きたいことをちょこっと書くかもしれません。
by asacco-mokucitane